世の中には、設置台数の数倍以上のお客様が並ぶ店舗があります。また、そこまでではなくても、地域一番店があるはずです。
では、地域一番店が「なぜ一番店になっているのか」ということを、正しく把握出来ているでしょうか?
日常業務の中で頭取り(稼働率調査)を行っているかと思いますが、どの台がどれくらいの稼働状況かだけを見ている程度では、あまり意味をなさないのです。
ここでは、打ち手から見た視点と、マーケティングの観点から、パチンコホールの集客について考えてみます。
この記事の内容は、動画でも詳しく解説しています。
動画で確認したい方は、以下の動画をチェックしてみてください。
※人によっては動画の方が分かりやすいかも
パチンコ店が集客できる要因|行く理由
パチンコ店が集客できる要因について、細部まで分析できているでしょうか?
打ち手側から見た場合には、「行きたいお店、通いたいお店」です。
では、打ち手側から見た「行く理由」を確認してみましょう。
《打ち手がパチンコ店に行く理由》
- 出る、勝てる、相性が良い
- 打ちたい台がある
- 家から近い、通勤などの経路にある
- 打つ環境が良い
- 家族に内緒で通ってもバレにくい(タバコのにおいなど)
- 店員の感じが良い、仲の良い店員がいる
- 友達がホールにいる
- 貸し玉レートが懐状況に合っている
このように、様々な要因があるのです。
※他にもあるかと思います。
しかし、多くの店長や経営者は、誰でも分かる「出玉」に関しては、「出すことが難しい状況」があるため、出玉面以外で考えます。結果、「打ちたい台がある」というところだけに注目し、中でも「新台」を中心とした集客に頼ってしまうのです。
本来は、他に多くの集客の要因があるにも関わらず、気が付けない店長、経営者が多いように思えてなりません。
集客で一番見なければいけないのは、「お客様の思考」です。「打ち手がパチンコ店に行く理由」について、細かく分析していない時点で、集客ができる店舗は限られてしまうのです。
他の面で勝負するために決めるべきこと!
あまりお客様を集められないホールであるならば、いきなり出玉面で勝負することは難しいでしょう。ならば、別の面で勝負をするしかありません。出玉面での勝負は、ある程度お客様が集まって、利益が取れてからにすれば良いのです。
集客にも順番があり、戦略があるのです。
戦略も立てずに、新台が出たから新台を導入し、新台の集客力に頼るという集客戦略では、完全にギャンブルです。現状、メーカーが台を納得するまで確認させてくれない以上、現状の流れの中で、戦略的に集客すべきなのです。
集客戦略を立てるにあたって、まず決めるべきことがあります。
それは「どんな店にしたいのか?」ということです。
例えば、全国的に有名になり、特定日には全国から人が集まるような店にしたいのか、地元の人に密着した店舗にしたいのかでは、戦略は全くことなります。
だからこそ、先に「どんな店にしたいのか」を決めておく必要があるのです。
他の面で勝負するために知るべきこと!
多くのホールが、現状を打開する必要があって、この記事にたどり着いているかと思います。
つまり、現状、集客が芳しくないはずです。
ならば、まずすることは「近隣ライバル店のお客様を奪うこと」です。自店に通える範囲の人に、ライバル店ではなく、自店を選んでもらうわけです。
では、ライバル店に通っているお客様は、「なぜライバル店に通っているのでしょう?」ちゃんと把握できているでしょうか?序盤でお伝えした「打ち手がパチンコ店に行く理由」の中に、ライバル店に通っている理由がある可能性が高いと思います。
※挙げなかった部分に理由がある可能性もあります。
その理由を、まず明確にすることが大事です。
お客様それぞれ理由は違います。でも、それらを把握することから、戦略を立てることがスタートするのです。
また、逆に「自店に来店してくださっている理由」も明確にできると良いでしょう。その中に来店のヒントや、自店の強みが隠れている可能性が高いからです。
全ての答えはお客様が持っています。
まずは、お客様のことを深く知ることから始めてみてください。
頭取りを無駄にしない!
多くの店舗では、頭取りを行っているかと思います。しかし、自店でそれをどうやって活かしているでしょうか?
例えば
Aという自店にはない台が高稼働であることを確認
↓
打ててない人がいるから自店でも導入しよう
↓
導入したら高稼働になるに違いない
この思考は危険です。というかおそらく失敗します。地域一番店にあるから高稼働なだけで、閑散店では導入費用の回収さえ出来ない可能性が高いのです。
そもそも台に対する稼働率だけ見ているのであれば、ほぼ無意味とすら言えるかもしれません。
折角競合店の中に入り、堂々と調査が出来るのですから、いろいろなところを見てくるべきなのです。一回で行うことが厳しければ、長期間かけて行えば良いだけです。
客層、出玉感、その見せ方、雰囲気、設備、サービスなど、見るところはたくさんあります。
客層1つとっても
- 台ごとの客層
- さらに時間帯別、日別の客層
- 自店に来店したことのあるお客様の有無と、そのお客様の打っている台
- 常連はどれくらいいるのか
まだまだありますが、さまざまな情報を集め、敵を知ることで改善出来るところが見えてくるのです。競合店が集客出来ているのには必ず理由があります。それが自店では出来ないことであるかもしれません。
※「高稼働だから設定を入れることが出来る」など
しかし、それすら分からないまま、思い付き、憶測で勝負に出るのは非常に危険です。
きっちりとした分析を行い、まずは競合店が集客出来ている理由、自店との差を明確にしましょう。
自店でできることは何か?
ここまでの項目を確認すると、「お客様のこと」「ライバルのこと」が分かる状態になっています。それらを踏まえた上で、「自店で何ができるのか」ということを決めていくことになります。
別の言葉で言えば「差別化」と言えます。
集客できているライバル店は、なんらかの理由で集客が出来ています。しかし、そこと真っ向勝負をするのは危険です。理由は、「集客出来ている⇒資金面で余裕がでる⇒最後は資金勝負になる」ということが、目に見えているからです。
例えば、多くのホールが実施している新台入替による集客。これは、資金に余裕がある大手が圧倒的に有利です。出玉面も同じです。極端な話ですが、潤沢な資金があるのであれば、新規出店して近隣店を潰すまで出しまくって、潰れてから回収するということだって可能です。
そのため、資金に依存しやすい部分での、真っ向勝負は危険なのです。
「近隣店が弱い部分を見つけ、そこを自店の強みとする」といった方針、戦略が必要になってきます。
例えば、「地元の年配層の人」を狙った場合、機種構成だけでなく、店内設備で重視する部分も変わりますし、スタッフの対応も重要になります。
- 階段があるから通いにくい
- ホール内に段差が多い
- 若い客の振る舞いが怖い
- スタッフが声かけてくれない
- トイレが使いにくい
年配層の人を対象に考えただけで、いろいろな改善ポイントが見えてくるはずです。
どの層を狙うのかについては、地域によるところが大きいはずです。「自店ではどのお客様を狙って差別化していくのか」ということを決め、しっかり戦略を練っていってください。
まとめ
「競合店が集客出来ている理由に、もっと貪欲になるべき!」というタイトルでお伝えしました。
多くの店長、経営者が、「打ち手がパチンコ店に行く理由」「打ち手がライバル店に行く理由」に対して、貪欲に知ろうとしていない気がします。
知ろうとしていれば、こんなにも「新台入替に頼った集客」にはならないはずだからです。
「お客様」「ライバル」「自店」をしっかり知り、差別化をして戦略的に立て直していってください。
私たちは、打てるホールが減ることが単純につらいので、何とか維持して欲しいのです。パチンコホールの減少が止まることを、心から願っています。